「ソン・ジェリム俳優は、もともとクールな雰囲気を持っているため、多くの人が誤解しがちですが、本当はとても心温かくて、最高に面白いキャラクターでした。本当に会いたいです。」－ハリー・ヒョン監督
故ソン・ジェリムの遺作となる映画『Crypto Man』が、いよいよ観客と出会う準備を整えた。
1月6日午後、ソウル龍山区のCGV龍山アイパークモールにて、映画『Crypto Man』のマスコミ試写会および記者会見が開催された。この日の現場には、ハリー・ヒョン監督、俳優アン・ウヨン、ミン・ソンウク、ソ・ヒジョン、チャ・ジョンウォンが出席した。
故ソン・ジェリムの遺作となった映画『Crypto Man』は、2022年に50兆ウォンが消失し、世界を揺るがしたルナコイン大暴落事件を基にしたクライムドラマである。当時、ルナコインの崩壊によって大手プラットフォームが次々と破綻し、韓国内だけでも28万人もの被害者が発生するなど、社会的に大きな波紋を呼んだ。
ルナコインの被害者でもあるハリー・ヒョン監督は、「被害者であるからこそ、語りたいことが多かった。映画を制作する中で、なるべく中立的な視点を持って演出しようと努力しました」と率直に語った。
映画のモチーフとなった人物を追いながら興味深い点が多くあったと語ったヒョン監督は、「実際の人物は、テチ洞出身で、外国語高校を卒業し、海外の有名大学を出て、スタートアップの投資を受けた後、突然暗号資産を作る過程が非常に興味深かった」と述べた。「ブラックコメディの要素も多くありました。しかし、ルナコインの被害者の苦しみや犯罪の重大性を軽視することなく、また被害者の話を過度に重苦しくすることも避け、コメディ的に消化しないように注意しました。そのため、結果的に少し暗い雰囲気になったと思います」と説明した。
ルナコインの崩壊について、「2022年初め、ルナコインを買わなければバカだと言われていた時期がありました。『これを買えば必ず上がる』とか、『10倍、20倍になる』と言われていた時期です。でも結局、暴落しました。『もう二度と暗号資産には手を出さない』と思いながら『Crypto Man』の撮影を始めたのに、2023年9月にはビットコインが2,000万ウォン以下だったのに、今では1億ウォンを超えています。そういうのを見ると、また現実を突きつけられる気分になります。この映画を撮影したとき、暗号資産は結論が出せないものだと言いましたが、今のような急騰を見ると、これを『面白い現象』と表現すべきか、それとも『未来の有望な資産』と捉えるべきか、戸惑っています」と語った。
俳優アン・ウヨンは、自身の投資経験について「実は、私は暗号資産の被害者ではなく、株式の被害者です」と明かした。「暗号資産についてはよく知りませんが、株式投資で大きな損失を受けました。今回の映画に参加するにあたり、ルナコインに関する記事をたくさん読み、調べました。ただ、私のキャラクターは暗号資産とは直接的な関係がなかったので、演技においては特にコイン市場を深く分析する必要はありませんでした。『Crypto Man』は、主人公ヤン・ドヒョンの人生を描く作品であり、私はその中で少しの明るい要素を担う役割でした。」
『Crypto Man』はルナコイン事件としても注目を集めたが、それ以上に、故ソン・ジェリムの遺作として広く知られることになった。ソン・ジェリムを思い出し涙を流したヒョン監督は、「彼の表情からは何を考えているのか分からないミステリアスな雰囲気があり、それが役にぴったりだと思いキャスティングしました」と語った。
彼との思い出を振り返りながら、「彼は暗号資産について本当に詳しかったです。映画制作の過程で、多くのアイデアを提供してくれました。クールな印象を持たれがちですが、実際はとても温かく、最高のユーモアセンスを持った人でした。本当に会いたいです。一緒に完成させたかった」と心情を明かした。
俳優ミン・ソンウクもまた、ソン・ジェリムについて回想した。「彼はクールな印象が強かったですが、撮影を通じて本当に仲良くなりました。演技について深く語り合い、たくさんの話をしました。ヤン・ドヒョンが暴走するシーンの台詞も、彼のアイデアによって変わりました。その時、彼の演技力を再認識しました。彼は過小評価されていた俳優だと思います。『Crypto Man』は彼の最高の作品だと思います。」
アン・ウヨンも、「この映画を通じて兄弟のような関係になりました」と語った。「6歳差があるのに、兄のように接してくれました。撮影が終わった後も一緒に食事をし、冗談で『一緒にビジネスをしよう』と言い合ったりしました。僕には影響力はありませんが、この映画だけは全力で広めたいです。彼が見守っていてくれることを願っています。」
俳優チャ・ジョンウォンは、「最初の印象はクールでしたが、実はとてもユーモアがあり、いたずら好きでした。彼と一緒に撮影した時間はとても楽しかったです。彼と一緒にこの映画を観たかったです」と感慨深く語った。
最後に、映画『Crypto Man』で母親役を演じたソ・ヒジョンは、彼との思い出を語った。「最初の撮影シーンで、彼が半袖の学生服を着る場面がありました。彼は筋肉質だったので、袖が少しきつかったことを覚えています」と笑顔で回想した。
また、「彼が魚をさばくシーンがあったのですが、シェフのように教えてくれました。本当に素晴らしい俳優でした。彼と共演して、多くのことを学びました」としみじみと語った。
一方、世界的に注目を集めたルナコイン暴落事件を描いた映画『Crypto Man』は1月15日に公開される。
[금빛나 MK스포츠 기자]
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