【東亜日報】 「AIのおかげで… 1年かかる映画をカメラなしで8日で完成」
- MooAm
- 6月5日
- 読了時間: 2分
「奇妙なことだ。最近になって、この場所を訪れる者がやけに増えた気がする。」
顔はオオカミ、身体は人間──半獣の門番は真っ白な部屋で動物たちを迎え、相談し、赤い扉へ導く。彼らはなぜ来るのか。門番はなぜ扉を守るのか。
5月30日に発表されたCGV初のAI映画コンテスト大賞受賞作、11分の短編『The Wrong Visitor』は、生と死の狭間を描く空間を舞台に、象徴的な半獣キャラクターと不気味な美を織り込みながら、その大半を生成AIで作り上げた。
6月2日、ソウル鐘路区の東亜メディアセンターで取材に応じた35歳のハリー・ヒョン監督は「カメラなしで映画を作るなんて、以前は想像すらできなかった。今はパソコンの前で思い描いたものをすぐ映像化できる」と語った。
ヒョン監督はテレビ教養番組のPD出身で、インディーズ作品『Nine Times Fired』『Crypto Man』を演出。New York International Film Awards や Toronto International Women Film Festival でノミネートされた経験を持つ。
執筆とプリビズ
脚本は自ら執筆し、ChatGPTやClaudeなどのLLMで不自然な表現を磨いた。「複数のペルソナと共に書いているようだった」と言う。

映像生成
椅子に座る男性をスマホで撮影し、その静止画をAIに入力して簡易コンテを作成。顔に動物の特徴を合成し、“Image to Video”モデルで動画化。「AIが撮影監督の役割を果たした」と述べ、急速に進化する技術によって撮影現場不要で制作できたとした。
仕上げ
口の動きが音声と合わず、別のAIでリシンク。シーンごとに色調が異なるため、人が手作業でカラーを統一。それでも僅か8日で、最小限の人数で高品質な短編を完成させた。
「通常なら少なくとも1年、多ければ数年かかり、費用も膨大です。AIのおかげで時間もコストも節約できました。」
ヒョン監督は現在、AI技術を活用した長編映画を企画中で、年内完成を目指す。
「AIが望まないカットを出してくることもありますが、それがかえって良い場合もある。AIと共に働く“共同作業”だと思っています。Film by AI ではなく Film with AI の時代はすでに来ています。」
— イ・ホジェ 記者(hoho@donga.com)
© dongA.com All rights reserved.
Comments